この病気は、10代後半から30代半ばの比較的若年層でかかることの多い、大腸粘膜に炎症をきたす疾患です。症状は一時的に軽快と再燃を繰り返しますが、薬で安定させることができます。
代表的な症状としては、血便・下痢・腹痛・発熱などがあります。進行すると、粘膜が深くえぐられて、名前のように大腸に潰瘍が多発した状態となり、大量の出血を来します。この疾患は、大腸粘膜に対して異常な抗体ができ、自分の大腸粘膜を攻撃してしまうことが原因で生じます。もともとは欧米人に多かった疾患ですが、急速に日本人にも増えてきています。潰瘍性大腸炎は特徴的な内視鏡像を示し、診断には大腸内視鏡検査が必要です。
病変のできる部位
潰瘍性大腸炎は、基本的には直腸から始まり、連続して奥へと広がっていきます。連続しない分類不能型も最近は増えているように感じます。炎症の範囲が広い方が、狭い方よりも重症化しやすいとされています。広がり方は患者さんによって違い、下記に分類されます。
- ・直腸炎型 炎症が直腸のみに及んだもの
- ・左側大腸炎型 炎症が脾彎曲部を超えていないもの
- ・全大腸炎型 炎症が大腸全体に広がっているもの