2024年10月16日
皆様ご存知でしょうか?大腸がんのリスクを!!
大腸がんの危険因子
- ①年齢(50歳以上)
- ②大腸がんの家族歴
- ③高カロリー摂取および肥満、赤身肉・加工肉の摂取
- ④過度のアルコール摂取
- ⑤喫煙
抑制因子
- ①適切な運動
- ②食物繊維
- ③アスピリン内服 (脳梗塞心筋梗塞の予防として服用される)
※アスピリン内服に関しては大腸ポリープの発生を抑えるエビデンスで大腸がんの発生を抑制するデータではありません。
こうやって見てみると生活習慣が、大切だという事がよくわかりますね。
大腸ポリープから大腸がんになる?!
大腸ポリープは組織の種類がいくつかありますが、組織学的に腺腫(adenoma)と言われるタイプでが最も多いタイプです。
大腸がんは、この腺腫を介して発がんするのが、主経路である事とおおよそ証明されています。それでは、この腺腫はどれくらいの期間で成長してがんになっていくのでしょうか?
現在、ポリープの成長速度に関して明確に示された論文はありません。
しかしながら、腺腫の大きさとがん化率の報告をみると
大きさ6-9mmポリープで、3.3%のがん化率
大きさ10mm以上のポリープで、28.2%のがん化率(山野ら 胃と腸 2007;42
)
腺腫が大きくなるとがんを含む率が高くなる事は明白であり、10mm以上に成長する前に切除することが望まれます。
10mm未満のポリープであれば、ほとんどの場合、合併症の少ないコールド・ポリペクトミーという安全な切除方法で処置が可能です。
※コールド・ポリペクトミーは術後の出血や熱傷による腹膜炎の頻度が少なく安全に治療出来ます
大腸内視鏡は受けるべきか!?
検診目的に大腸内視鏡を行い、偶発的に見つかったポリープを切除することで大腸がんになるリスクは非常に低くなります。
つまり大腸ポリープの切除は、絶対的な大腸がんの予防につながります。
自分の意志でがんの発症を減らす事の出来る唯一のがんなのでは、ないでしょうか?
海外からも大腸内視鏡の有用性を証明するような論文が続々と出てきています。
Long term effects of one-only flexible sigmoidoscopy screening after 17 years of follow-up Atkin W et.al Lancet2017
→この論文では、S状結腸までの内視鏡を1回でも受けた人達の大腸がんの罹患率35%、死亡率が41%まで低下した。
大腸の全てを観察した『全大腸内視鏡』でのデータが、まだ無いのですが、今後エビデンス・レベルの高い論文が日本からも出てくる予定です。
最後に一つだけ!
大腸内視鏡をすべての方に受けていただきたいのですが、それでも大腸内視鏡検査に抵抗のある人は、せめて便潜血反応だけでも受けほしいです!
もし大腸内視鏡検査を受けようか迷っている方がいらっしゃいましたら、当院に是非、ご相談下さい。技術の高い安全で快適な大腸内視鏡検査をお約束いたします
当院は大腸内視鏡挿入技術に特化した会『二木会』の会員です。二木会は質の高い大腸内視鏡検査の普及と大腸がん死亡の減少を目的とした会です。
大腸内視鏡検査(大腸カメラ)に対するマイナスなイメージを減らし、少しでも多くの患者様に大腸内視鏡検査を受けていただけるように努めております。