2024年10月16日
『ヘリコバクターピロリ菌の感染が大腸がん発生率、死亡率を上げる可能性がある』という論文が出ています。
この論文ではピロリ菌感染が陽性と陰性のグループ、ピロリ菌を治療したグループと未治療のグループに分けて、15年間の追跡調査を通じて大腸がんの発生率および死亡率を検討しています。
論文の結果
- ピロリ菌感染が陽性のグループはピロリ菌感染が陰性のグループに比べ、大腸がん発症リスクは18%高く、死亡リスクは12%高かった。
- ピロリ菌の除菌治療を受けたグループは未治療のグループに比べ、大腸がん発生のリスクが23%高く、死亡リスクは40%高かった。
journal of clinical oncology : official journal of the American Society of Clinical Oncology. 2024 Mar 01;JCO2300703. doi: 10.1200/JCO.23.00703.
ピロリ菌は胃がんのみならず、大腸がんにも影響している可能性が示唆されています。
私も日々大腸内視鏡検査をしていて、ピロリ菌が陽性の方に大腸ポリープやがんが多い印象は、特別なかったです。
欧米人と日本人は少し異なる可能性もあるかもしれませんね。
他のがんのリスクも報告有り!!
ピロリ菌感染による発がんのリスクを疑われているがんがあります。
- 口腔がん 1.1倍
- 喉頭がん 3.0倍
これは僕が何かの勉強会でメモしてあったもので出典は不明なのですが、これらの事実があるようです。
ピロリ菌は罪深い、ギルティーです!まだ解明されていない事ではありますが、『ピロリ菌感染の有無を確認すること』、『感染陽性であれば除菌すること』、現時点で自分自身に出来る事の様に思います。
ピロリ菌感染の方もそうでない方も、がんの早期発見のために胃カメラ、大腸カメラを受けることをお勧めいたします。