胃がん
胃がん
胃がんは、胃の内側の粘膜層から始まるがんのことを指します。胃の粘膜には、食物を消化するためのさまざまな細胞が存在しており、これらの細胞が異常に増殖することでがんが発生します。日本は胃がんの発症率が高い国として知られており、早期発見・早期治療が非常に重要です。
胃がんの主な原因としては、不規則な食生活や過度な塩分摂取、喫煙、過度なアルコール摂取などが挙げられます。日本人の胃癌の96-99%は、ピロリ菌が陽性の方に起こっています。ピロリ菌を除菌することで胃癌発症のリスクは半分にまで減少させる事が出来るとされています。
胃がんの症状は、がんの進行度や位置によって異なります。初期の胃がんは特に症状が出にくく、進行して初めて症状が現れることの多い疾患です。
主な症状としては、みぞおちの痛みや不快感、胸やけ、食欲の低下、吐き気などがあります。これらは胃がん特有の症状というわけではありませんので、検査を行って評価することが必要です。
そのほか、胃がんから出血し、黒色の便が出たり、体重が減ったりするといった症状から検査を行い、結果的に胃がんと診断されることもあります。
胃がんの診断には、いくつかの検査方法がありますが、最も一般的で確実な方法は内視鏡検査です。
胃内視鏡検査は、胃の内部を直接観察することができるため、初期の胃がんや微細な変化も捉えることができます。早期の胃がんは微細な変化でしかなく、指摘が難しい病変もあります。当院では早期胃がんの内視鏡治療を行える医師が専門性を持って検査をしております。内視鏡の専門家としての独自のアプローチを持っており、患者様の安心・安全を第一に考えた検査を行っています。
転移の可能性がなく、癌が粘膜内に留まっている病変に対して、内視鏡的切除術が行われます。外科手術と比較して体への影響が少なく、切除する範囲も小さいため術後の食生活にも支障が出にくいです。内視鏡治療は、内視鏡の先端から電気メスをだし直接病変を切り取る内視鏡的粘膜下層切除術(ESD)があります。
また、胃がんの内視鏡治療後に、ピロリ菌を除菌するとその後の胃がん発生率が33~50%程度に抑制されるといわれています。しかし、除菌後もリスクは残るため、定期的な内視鏡検査が必要となります。
病変が粘膜下層のより深いところまで浸潤している場合は外科的手術が選択されます。手術方法に関しては臍の上に20cm程度切開し癌を切除する開腹手術、もしくはおなかに1cm前後の小さな穴を数か所開けて、そこから処置具を挿入しがんを切除する腹腔鏡手術があります。手術を行った後に一定期間抗がん剤を内服することもあり、これを補助化学療法といいます。
外科的に全てを取り除けないケースを切除不能胃癌と呼びます。切除不能な胃がんは抗がん剤の治療となります。治療法は1次療法から始まり、治療効果や副作用に応じて2次療法、3次療法へ変更していきます。使用する抗がん剤により副作用はことなります。胃がんの場合HER2という特殊なたんぱく質が発癌に関係している場合はあり(HER2が陽性)、トラスツズマブという薬を含めた治療法が選択されます。また、近年免疫チェックポイント阻害薬という新しい作用機序の薬が登場し抗がん剤治療の幅が広がっています。
※胃がんの治療方法は、がんの進行度や位置、患者様の健康状態などによって異なります。
胃がんの一番の予防は『ピロリ菌をいない状態にすること』です。
また生活習慣や食生活の改善も大切です。
胃がんは早期に発見することで治療の成功率が高まります。定期的な健診や内視鏡検査を受けることで、初期の段階での発見や治療が可能となります。
ヘリコバクター・ピロリ菌の感染していない状態にすることが、最も重要です。
除菌がうまく行っても胃がんのリスクはゼロにはなりません。ピロリ除菌後の胃がんも少なからず見られます。1年毎の胃カメラ検査が必要と考えます。
胃がんの早期発見のためには、定期的な健診や内視鏡検査を受けることが重要です。また、胃の不調や症状がある場合は、早めに医師の診察を受けることをおすすめします。
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