
過敏性腸症候群(IBS)のよくある質問
過敏性腸症候群(IBS)のよくある質問
40歳以上や血便・急に下痢するようになったなどの症状がある方の場合は、大腸がんや炎症性腸疾患を除外するために必要です。長らく潰瘍性大腸炎(炎症性腸疾患)の方に過敏性腸症候群の内服を処方して経過を見ていた事例を知っていますし、私も経験しています。両疾患は治療法がまるで異なります。できる限り大腸カメラは受ける事をお勧めします。
IBSの方で内視鏡検査がつらかったと言われる方が多いように思います。
これはIBSの方で知覚過敏状態になっていることが関係しているのかもしれません。IBSの方への鎮静内視鏡は非常に有用と思います。
欧米の研究でIBSの約半数に不安やうつの精神疾患が合併している報告があります。
IBSで悩むことにより不安や抑うつなどの精神の不調に至っているケースが多いのだと思います。IBSの原因として特定のシチュエーションや緊張を強いられる環境が考えられる方や、不安に思う気持ちがトリガーになっているケースが多く見られます。
不安を取り除くうえでも抗不安薬を使用することがあります。
症状が落ち着けば中止できる場合が多いです。まずは内服薬で症状が取れている状態を作ることが治療になります。症状が起こらなくなると、起こり難いサイクルになってきます。
症状がなくなると薬を飲むこともわすれ、それでも大丈夫だった体験で自信をつけてIBSだったことを忘れてしまうでしょう。
個々によりますが内服加療は最低でも6か月から1年はかかるものと考えています。
環境が変わることで自然と症状がよくなっていく方もいらっしゃいます。
一生悩む疾患ではありません!
放置して悪化させないように治療を開始しましょう!!
脂っこいもの、カフェイン、アルコール、辛いものを控え、食物繊維や水分を適量とります。低FODMAP食が有効な場合もあります。低FODMAP食の効果は個人差があるため、あまりこだわりすぎるのは栄養面からもいいことではありません。
IBS自体ががんの原因になることはありません。しかし、40歳以降でIBSを発症した方は積極的に大腸がんを否定するために大腸カメラを受ける事をお勧めします。
プロバイオティクス(乳酸菌、ビフィズス菌など)やプレバイオティクス(腸内細菌の餌となる食物繊維)が有効な場合があります。人によって症状の変化は様々で一定ではありません。試してみて、よかったものを取り入れてきましょう。
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