内視鏡検査に使用する薬剤|横浜鶴見区の消化器内科・内視鏡(胃・大腸カメラ)|鶴見東口やはらクリニック

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内視鏡検査に使用する薬剤

内視鏡検査に使用する薬剤|横浜鶴見区の消化器内科・内視鏡(胃・大腸カメラ)|鶴見東口やはらクリニック

2025年6月29日

内視鏡検査に使用する薬剤

はじめに

内視鏡を行う際の麻酔は『静脈麻酔』と言い注射で、薬剤を投与します。

投与する薬剤の種類により、特徴があります。

当院では、患者様ができる限り苦痛なく安全に内視鏡検査を受けられるように数種類の薬剤を適切に使用しています。当院で使用している代表的なお薬の特徴と注意点をお話しします。

1. ペチジン(商品名例:ペチジン塩酸塩)

ペチジンは、鎮痛作用のあるお薬で、内視鏡挿入時の腹部の不快感や痛みを和らげるために用います。大腸の動きを抑える鎮痙作用もあるとされています。比較的即効性があり、鎮痛効果は1時間ほど持続します。

副作用や注意点:

  • 眠気、吐き気、ふらつきが出ることがあります。
  • 呼吸が浅くなることがあり、呼吸器疾患のある方への使用には注意が必要です。
  • てんかんの既往がある方は発作を誘発する可能性があるため、原則使用しません。

2. ミダゾラム(商品名例:ドルミカム)

ミダゾラムは鎮静作用のあるお薬で、検査中の緊張や不安を和らげます。少量ではリラックスした状態をつくり、増量により「うとうと」した状態からほぼ「寝ている」状態まで調節可能です。使用により検査の記憶が残りにくいのも特徴です。

副作用や注意点:

  • 高齢者や腎・肝機能の低下している方では代謝が遅れるため、少量から慎重に投与します。
  • 妊娠中の方は、安全性の点から原則避けます。
  • 授乳中の方に比較的使用しやすい薬剤とされています。
  • 作用を打ち消す薬剤(アネキセート)があり、効きすぎた状態を回避できます。

3. プロポフォール(商品名例:ディプリバン

プロポフォールはより深い鎮静効果をもつ薬剤で、患者様がしっかりと眠った状態で検査を行うことができます。効果の立ち上がりと消失が早く、検査後の回復も比較的スムーズです。

副作用や注意点:

  • 呼吸停止や血圧低下など、高度な管理が必要な薬剤です。
  • 心疾患や呼吸器疾患をお持ちの方には慎重に使用します。
  • アレルギー体質の方(特に大豆や卵アレルギー)には注意が必要です。
  • 小児・高齢者・妊婦には原則として使用を避けます。

4. ブスコパン(一般名:臭化ブチルスコポラミン)

ブスコパンは、腸の動きを抑えるお薬です。腸の動きが激しいと内視鏡での観察が難しくなるため、腸管を一時的に落ち着かせて検査をスムーズに行う目的で使われます。

副作用や注意点:

  • 口の渇き、目のかすみ、動悸などが起こることがあります。
  • 緑内障(特に閉塞隅角緑内障)のある方には使用できません。
  • 前立腺肥大症のある方は排尿困難を悪化させる可能性があるため注意が必要です。
  • 心疾患をお持ちの方には慎重に使用します。

最後に

・これらの薬剤の特徴を理解し、少量ずつ組み合わせる事で、薬の長所を生かした『鎮静状態』を安全に作る事が出来ます。

・鎮静作用のある薬剤は意識を落とすと同時に呼吸が弱くなりますので、大量に使用することはできません。患者様に合った量で上手に組み合わせて使用することが大切と考えます。

・すべての薬剤は高齢の方や腎臓機能がある方には減量して投与する必要があります。


当院では患者様の既往や体格から、使用薬剤を選択し安全に鎮静内視鏡を行っています。

深い鎮静が怖い方には会話ができるくらいの鎮静下でも検査を行うことができます。
安心して検査を受けていただけるよう、努めています。

監修 矢原青 やはらせい

医師 鶴見東口やはらクリニック 院長

消化器内視鏡学会 専門医・指導医

これまでに5万件以上の内視鏡検査・内視鏡治療を経験。
略歴)
横浜市立大学附属市民総合医療センター内視鏡部
松島病院大腸肛門病センター

『鶴見東口やはらクリニックは横浜市鶴見駅東口から徒歩3分にあります。お気軽にご相談ください!』

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