鼻からと口からどちらがいいの?
鼻からと口からどちらがいいの?
この質問はよく聞かれる質問です。
口からの内視鏡検査は、適量の鎮静剤を使用して行いますから楽にできます。ウトウトと寝ている間に検査が終わってるという方がほとんどだと思います。しかし、鎮静剤を使用する分、薬が覚めるまで休んでいただく時間が必要になります(30分-60分)。また車やバイクの運転はその日は出来ません。
鼻からの内視鏡は鼻腔に局所麻酔をし、極細径のスコープで鼻から挿入していきます。一番オエっと反射の出る舌根部分にスコープが当たらないためオエッとする反射が起きづらく、いつもオエオエして検査が辛かったという人も苦痛なくスコープが通過出来ます。最近の経鼻のスコープは進歩していて、細いスコープなのですが、性能が非常に良くなっていますので、検診目的の検査であれば 精度的には太径のスコープとそん色ありません。 ただ、それでも鼻腔が狭くスコープが通らない人がいます。
鼻からの内視鏡は、鎮静剤を使用しない分休んでいただく時間が必要なく、『検査後に仕事に行かなければならない、運転をしなければならない』と言う方にはとてもよい検査です。
しかし、オエッと反射が起こらないとは言っても全く違和感がないわけではありません、検査中に意識があるので、多少我慢が必要になります。ですから、『寝ている間に終わりました!』という体験は経鼻内視鏡ではありません。
口からの検査 | 鼻からの検査 | |
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検査後の 滞在時間 |
麻酔が覚めるまで30分ほどベットでの安静が必要になる。 | 検査後に気分不快などがなければ、すぐに帰宅できる。 |
検査中の意識の状態 | ウトウト~ほぼ寝ている状態で、検査中の事は覚えていない。 | 意識あり、説明が聞け、会話も可能。 |
検査による 合併症 |
麻酔の覚めが悪く、起きるのに時間がかかる事がある。 追加で60分ほどのベット安静が必要になる。 (帰れなかった方はいません。) |
鼻血、鼻腔通過時の痛み |
検査費用 | どちらもほぼ同額 | |
クリニックとしては・・・ | 休んでもらうスペースやベットが必要になる。 検査後の患者様の状態を確認する看護師も必要。 |
特に必要なし |
どちらの検査にも良し悪しがあるのかなと思います。これまでの何万人と検査をしてきた経験から言うとやはり、鎮静剤を使用して口からする方が安全で楽に出来るのかな、と個人的には思っています。
どちらのやり方でも 丁寧でやさしいスコープ操作を心がけています。
胃内視鏡検査(胃カメラ)でつらい経験のある方、また初めてで不安のある方、まずご相談ください。
あなたにとって一番良い方法を考え、提供したいと思います。
鎮静するなら、そもそもデリケートな鼻腔を通す必要ない、という理由はあると思います。
もう一つ、鎮静そのものに問題があります。
鎮静剤を使用すると鎮静深くならず、突然患者様が暴れてしまう場合があります。(これを『脱抑制』といいます。)この脱抑制が生じた時に鼻にスコープが通っていると大事故になりかねません。経鼻の胃カメラで鎮静するときには意識が完全になくなっていない鎮静状態が必要です。(『意識下鎮静』といいます。)意識下鎮静の状態を作るには使用する薬剤の選択と検査医師の経験が必要です。
当院ではご要望により、鎮静剤を使用した経鼻胃カメラを行っています。
口からの胃カメラにトラウマのある方、胃カメラをもっと楽に受けたい方、遠慮なく相談してください。